検索しても全然でてこないからみなぎ得一、フェア。

最新刊の「足洗邸の住人達。」がいつのまにか連載されてて、単行本も出てることを知りさっそく購入。
新宿紀伊国屋にもないから結局アキバまで回る破目になりましたヽ(`Д´)ノ
そもそも発売すら知らなかった!!!


  

足洗邸の住人たち。みなぎ得一 ワニブックス ガムコミックス
大復活祭    みなぎ得一 ワニブックス ガムコミックス
いろは双紙   みなぎ得一 ホビージャパン ホビージャパンコミックス


「足洗邸の住人達。」(左)
〜着物の下から見え隠れする七〜八本の尻尾が気になりまして〜


いいなあ。
これは好き。

ツボです。(自分は大好きなんだけど、紹介しても果たして楽しいといってくれるか不安ということを言っています)

みなぎ作品の特徴として、ワールドワイドに妖怪、神話、古典、UMAや不思議生物が様々入り乱れて、「マニア」的、というかむしろ、作中以外の但し書きを持たないキャラクターの方が少数だったりします。
それに、過剰な裏設定と言葉遊び、小ネタ、仕掛け、詰め込み。衒学的というよりは、一部といった感覚でして、それらはサラッとアクションなりなんなりに消化されてしまうのであります。それもあるけど。

なにがいいって、なにしろテンポがよくて、決まってるのですよ。

そして兎にも角にも、丁寧で、熱いのです。       

また、手放しに娯楽に徹しきれない(きらない?)、てのも特徴です。そう、怠惰や厭世といった負の感情と、所謂マンガ的な正の感情が呉越同舟しています。折り合いはついてません。あらゆるトコロでどちらも顔を出してくる。物語は荒唐無稽だけど、その感情は妙に生活感があったりするのです。 
  例えば前作「大復活祭」の「絶対魔剣」(ゼッタイマケン、と読む)の章は、即席コンビが怪物を退治する話なんですが、よく考えると”ケテルが一方的にパステルにからんだけれど、事件を通して1人で勝手に納得してしまう”という話で、パステルも「楽しいでしょ?」に「あ、うん」の一言で話も終了。一方通行なんだけどなんだか上手くいってしまう。そういうこともある。イイ話だけなら、こんなまとまり方にはならないよ?個人的にはごった煮心象マンガだと思ってます。
いろんな奴がいるけど、イイとこも欠点もなんだかそれで全て良し、っていう感じ。 


・・・・・・・・・・・・・・


この「足洗邸の住人達。」も大復活祭と同じ、人間と物怪が共住している妖怪サイバーパンク「スゲー不安定なバカ世界」の郊外が舞台で、わけあり風の画家の福太郎が足洗邸で下宿を始めるところから始まります。

そこは、管理人の猫又・竜造寺こま(鍋島の化け猫ですね)他、妖怪変化幽霊ばかりの”人”のいない屋敷。
「いろは双紙」のシャドームーンで「大復活祭」のベジータ役、スミツ義鷹(鵺)が釣りをしてたりします。
福太郎の部屋も当然まともじゃく、憑き物件だったり。

何もわからぬまま住民(非人間)がらみで事件が起きたり、まるまる1編、話してるだけだったりしながら、謎と共にゆるゆる話は進んで行く。
今作はちょっとホームコメディっぽい。

個人的には、何か隠してるらしい玉兎(西遊記登場の妖怪)やお仙(元人間)と福太郎の絡みとか、わけあり風の福太郎をわざわざ殺人事件の七号室に回したこま(猫又)の意図なんかが気になるところなんですが……でもやっぱり生き生きしてていいなあ…と思うのでありました。福太郎との出会いで、お仙の束縛が解かれていく様子は好きです。

水木て名前にビビビとくる人なら。

で、裏表紙見ると・・・・うわ、あまり連載続ける気ないみたいダ!!







※もうちょっと露出してもいいと思うのだけど。
マイナー誌だから?単行本高いから?アニメ顔だから?寡作だから?うーん。


数少ないファンサイト
 パステルナーク愛好会 作品リスト有り






rank AAA

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2002年04月05日(金) みなぎ得一レビウ続き二つ

 
大復活祭    みなぎ得一 ワニブックス ガムコミックス
いろは双紙   みなぎ得一 ホビージャパン ホビージャパンコミックス

「大復活祭」(左)


べとべとさん、お先にどーぞ! だってッ!

なんで大復活祭かというと作者がいままで生み出したキャラを復活させたから。そんなこと言われても単行本2冊目じゃん。そんなキャラ知りません(常識ツッコミ)。

その登場人物達が各々主人公となり戦い何かしらの体験をする、微妙に時間軸のずれた短編と、それらが交錯して収束する、全員集合!な最終話の構成になってます。その辺が”祭”。妖怪・人間・ファンタジーごった煮の「スゲー不安定なバカ世界」が舞台のバトルアクション。
その中央廃棄場に生まれた”狂った土地神(ダイダラ)”と鎮伏屋(ハンター)たち。

やはりテンポがよくて手か込んでて、言葉遊びもセリフも決まってて、黒と白のコントラストが激しく格好いい。それと塵。こういうの、好きです。

なんていうのか、私、ジャンプ世代でして。

あの、友情、努力、勝利のころのジャンプマンガって、熱いけど、色々なことをごっそり削ぎ落としてたりするじゃないですか。

悪の親玉が、実は止むに止まれぬ事情があったりして、でも、主人公は「それでもここにいる仲間の為にたたかうんだ!」などと言って倒して目出度しで終わり。それの良し悪しはおいといて、

多分、そういう、削ぎ落とされてきたものを大切に拾っていこうとしていると思うのです。読者も作者も既に少年ではないけれど、少年マンガ的な何か、と切っても切り離せない何か。何か、を説明しようとすると長くなってしまいそうだけど、そういうものの為に迂回してまわって結果的に少年マンガ以上の”何か”少年マンガになってると思います※


自殺霊と戦う、浪花天使(ウワサに聞こえたスゴイ奴)・上池田の話なんか好きですね。成仏させて、WIN!
「ヤクザに勝った事あんねんど!」←技名



※流通量が減ってる予感アリ。いろはは絶版になってた。
※色々書いてるけどテンポが良くて決まっているのが一番の好きなとこです。(やっぱり人を選ぶかも。)
※(2003補足)この初版版はなくなって、↓に書いた第二版が流通するようになった模様です。









「いろは双紙」(右)

こちらは恐らく同じ世界の、江戸時代が舞台のやっぱり妖怪モノ。

人間の格好をして暮す鵺の義虎の物語。
足洗邸と大復活祭にもいる義鷹も登場してます。
来るべく義鷹との対決が運命付けられている主人公・義虎ですが、普段は蛸食ったり豚食ったり。
伝奇物らしく西洋神話がからんだり、同じく仕掛けが込んでるんですが、前紹介の2作と比べてはだいぶコメディータッチ。後の二作のような
陰のある描写は控えめです

ただ、ノってきたかなー、ってところで唐突に終わる感は否めません。
打ち切りだったのかな?詳しい事知りませんが。続いて欲しかったです。全四話でもお構いなしに展開していくところはなかなか熱い
ですね。

ということで始めに読むなら、どちらかというと「大復活祭」と「足洗邸の住人たち。」をお勧めします。これは最近見当たらないし。
「大復活祭」「足洗邸」とリンクしてたりして、併せて見るのも面白いんで、結局はお勧めなんですけどね。


※絶版。ただ、新古書店で若干出まわっているみたい。「復刊ドットコム」で募集あり。








rank AAA+


rank A+


 

 



足洗邸の住人たち。 弐  みなぎ得一 ワニブックス





和洋中ごった煮アクションホームコメディ伝奇第二巻。

「スゲー不安定なバカ世界」郊外の妖怪屋敷「足洗邸」に間借することになった死にたがり画家、福太郎も馴染んできたところで
今回は足洗邸を狙うハンター、バロネス・オルツィとあとは飯つくったり絵描いたり。

邸の面子は鵺、玉兎、悪魔、猫又、天井下がり、死霊、精霊、と。

やっぱり手が込んでて、キャラクターや物語への愛が感じられて心地良いです。
どう考えてもやられ役的な登場をしたオルツィにしても脇役以上のスポットが当てられているし。展開は全くのドラゴンボール的格闘、でもその他傍観してる面子はふつうにおしゃべりしたりとか。合間にそれぞれのメンタリティも見えてくるところも好みです。こういうの、ありそうでないような。

そして時は前作「大復活祭」の二週間前へ。どうなることやら。あ、チュパカブラがでてた!


大復活祭 (第二版) みなぎ得一 ワニブックス




和洋中ごった煮アクション伝奇。
「スゲー不安定なバカ世界」での大事件の起きたある一日の話。
中央廃棄場で生まれた「狂った土地神(ダイダラ)」と調伏屋(ハンター)達の戦い。
多分出世作。

第二版の大きな変更点としては表紙がカラーになって、隠し表紙絵がなくなって、あとは巻末付録の解説が差し替え。これで「トラップにかかったオマヌケプー」や「セコ・イ」「ジャミ・イ」の妖怪名とか出典が明らかになりました。改めて読み返してみると「足洗邸」に比べて引用や言葉遊びの比率が多いです。休む間もなくテンションもかなり高め。
マリマンでいったら足洗邸がメカニカルアニマルズだとするとこちらはアンチクライストスーパースターといったところでしょうか。
ん。微妙。

この調子で他の作品も読めるようになるといいのだけれど。





[]足洗い邸の住人たち。三巻 みなぎ得一 ガムコミックス

ネタバレ

人を選ぶごった煮妖怪ホームコメディアクションサーガ、一部で「これで終わりか?」と囁かれた第三巻です。終わってませんでした。でも、多分次で終わり。

今度は死にたがり画家、福太郎もなんだか強引に万魔学園のセンセ―として引張り出されてしまった。・・・そこにいたのは奇妙な面々たち・・・というかどっかでみたことある奴がいるぞ!お前ら全部同じクラスだったのか!パペットマペット!ってユルイ雰囲気もつかの間、背後には知る人ぞ知る「大復活祭」の足音、確実に近づく変化と義鷹の出立。

そもそも、物語開始となる福太郎の登場時から、いつか訪れる別離の予感は文句なしにあったわけでして、それら伏線が加速度的に回収・収束されていっている感じ。上池田兄弟とのやりとりなんかの日常パートと、パステル達の会話なんかの”仕掛け”パートの両方からで。このへん気にさせられざるを得ません。加速度的に。お仙たちはユルユルの日常描写が憎い。作者もお疲れの様子。立場的にマサライの命も危ない!
ちょっと目が離せません。


 


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TITLE:今までのあらすじ HTTP://PURPLEMIRROR.FC2WEB.COM
DATE:2002/04/07 03:12
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